特集 慢性腎臓病・透析患者の酸化ストレス―最新知見と治療展開
1.総論(2)腹膜透析における酸化ストレスとその制御
植田 敦志
1,2
1筑波大学附属病院日立社会連携教育研究センター
2日立製作所日立総合病院腎臓内科
キーワード:
生体適合性
,
腹膜障害
,
残存腎機能
Keyword:
生体適合性
,
腹膜障害
,
残存腎機能
pp.1506-1512
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001525
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腹膜透析(PD)患者の生体レドックス環境は,健常人に比べて酸化ストレスが亢進しており,生体内の還元酵素も減少している.PD患者の酸化ストレスの増加は,PD液が腹膜と接触することにより発生する活性酸素の影響を大きく受けると考えられている.一方,PD患者は残存腎機能が保たれている場合が多く,生体内では過剰な酸化ストレスを軽減させる方向に作用する.一般的には,血液透析(HD)患者に比べて,生体内の酸化ストレスは低下していると考えられているが,過剰な酸化ストレスは合併症の発症や生命予後に関連するとした報告も多い.生体適合性のより高いPD液の開発が期待される.
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