Japanese
English
特集 在宅透析
腹膜透析
HD併用療法
PD+HD combination therapy
植田 敦志
1
,
永井 恵
2
UEDA Atsushi
1
,
NAGAI Kei
2
1ひたち腎臓病・生活習慣病クリニックたんぽぽ
2筑波大学附属病院日立社会連携教育研究センター
キーワード:
残存腎機能
,
溶質除去不足
,
水分過剰状態
,
proactive option
,
rescue option
Keyword:
残存腎機能
,
溶質除去不足
,
水分過剰状態
,
proactive option
,
rescue option
pp.417-422
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001260
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はじめに
腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)患者に対して血液透析(hemodialysis:HD)を併用する治療は,1993年にはじめて報告され,1997~2002年に行われたPD+HD併用療法懇話会を経て,2004年にわが国ではじめてclinical recommendationsが示された1)。日本発のPD+HD併用療法は,PDの管理が良好で,移植が少ないわが国の事情を背景に発展してきており,2010年には保険請求が認められた。2021年末の日本透析医学会の統計調査では,PD+HD併用療法施行症例は2,130人で,PD症例全体の20.3%(全PD患者数:10,501人)となり,HDの併用回数は週1回が1,893人(88.9%)と大多数を占めている2)。PD+HD併用療法のコンセプトを図1に示す。PD開始後の残存腎機能低下によって生じる溢水や透析不足を補完する方法である。すなわち,HD単独治療,持続周期的腹膜透析(continuous cycling peritoneal dialysis:CCPD),PD+HD併用療法の3つの変更可能な治療のなかの選択肢として位置づけられてきた。その効果については,EARTH studyをはじめ多くの報告がわが国から行われ,その有用性が証明されてきた3)。また,2020年の診療報酬改定では,1人の患者が別々の医療機関でPDとHDを受けることが認められた。今後のPD+HD併用療法は,患者一人一人の豊かなライフスタイルと生活の質(QOL)の向上を考慮すると,素晴らしい選択肢になる可能性がある。
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