〔症例報告〕
重症急性膵炎に対してPMX-DHPおよびCHDFが著効した3例
関口 紗千
1
,
平野 拓己
1
,
阪 名月
1
,
松隈 英樹
1
1船橋二和病院内科
キーワード:
重症急性膵炎
,
PMX-DHP
,
SIRS
,
活性化好中球
Keyword:
重症急性膵炎
,
PMX-DHP
,
SIRS
,
活性化好中球
pp.112-117
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002441
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重症急性膵炎(severe acute pancreatitis;SAP)は,活性化された膵消化酵素などの臨床的侵襲を誘因とするさまざまな有毒産生物質が血中や腹腔内に逸脱し,全身性炎症反応症候群(systematic inflammatory response syndrome;SIRS)から膵周辺や遠隔臓器にも障害が起こり播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation;DIC)・敗血症や多臓器不全を続発し,予後不良でその死亡率は30%程度とされている.今回,SAPに対して大量輸液・蛋白分解酵素抑制薬および予防的抗菌薬投与の初期治療を行うも,呼吸循環動態を維持できなくなった症例に対してエンドトキシン吸着療法(polymyxin B immobilized fiber column direct hemoperfusion;PMX-DHP)および持続的血液透析濾過(continuous hemodiafiltration;CHDF)を施行することで呼吸循環動態が改善し,独歩退院可能であった3例を経験したため報告する.
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