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特集 IPF治療の最新の話題
特発性肺線維症の急性増悪に対するPMX-DHP療法
Polymyxin B Hemoperfusion for Acute Exacerbation of Idiopathic Pulmonary Fibrosis
水堂 祐広
1
,
小倉 高志
1
Yoshihiro Suido
1
,
Takashi Ogura
1
1神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器科
1Kanagawa Cardiovascular and Respiratory Center
pp.143-148
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205637
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はじめに
特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis;IPF)は年間あたり3〜15%の急性増悪のリスクがあると報告されており,本邦の大規模な疫学調査である北海道STUDYでは急性増悪が死亡原因の約4割を占めていた1).
急性増悪の際は表1のようにステロイドパルス,免疫抑制剤を中心として集学的治療が行われるが,急性増悪が起こった場合は様々な報告で致死率80%以上と救命率が非常に低い現状である.
ポリミキシンB固定化繊維カラム(polymyxin B-immobilized fiber column;PMX)を用いた直接血液灌流法(polymyxin B-immobilized fiber column-direct hemoperfusion;PMX-DHP)は本邦において1994年にグラム陰性桿菌に伴う敗血症によるエンドトキシン血症に対する治療として保険収載された.その後に,2002年にARDSに対しての使用が報告されて以降2),エンドトキシン血症以外の炎症性疾患に対しての有効性が期待されている.
IPFの急性増悪に対しては,2006年にSeoらがPMX-DHPの有用性を発表3)して以来様々な施設から有用性が報告されている4〜8).PMXのIPF急性増悪に対する有効性の機序については推測の段階であり保険収載もされていないが,実地臨床では広く使用されている.田口らによる日本呼吸器学会の認定あるいは関連施設に対するIPFの急性増悪のアンケート調査では,回答のあった332施設のうち79施設(23.8%)でPMXが使用されていた9).
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