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特集 重症急性膵炎の診療Now
画像診断からみた重症急性膵炎の評価
Imaging studies in the diagnosis and management of acute pancreatitis
森 俊幸
1
,
杉山 政則
1
,
跡見 裕
1
Toshiyuki MORI
1
1杏林大学医学部第1外科
キーワード:
重症急性膵炎
,
画像診断
,
重症度判定基準
Keyword:
重症急性膵炎
,
画像診断
,
重症度判定基準
pp.183-189
発行日 2001年2月20日
Published Date 2001/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904371
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重症急性膵炎ではその重症度判定や合併症の診断,治療に対し各種画像診断が不可欠である.画像診断による重症度判定は急性膵炎による膵実質の変化,膵周囲への炎症の波及などに対応した画像所見をパラメーターとしてgradingを行い,予後判定の一助としようとする試みである.これらの画像情報は造影CT検査で効率良く収集可能なため,画像による重症度判定にはCT所見が用いられている.急性膵炎の転帰は膵実質の壊死の程度,周囲組織への炎症の波及の程度,腹水貯留の有無といった重症度判定に用いられる所見ばかりでなく,膵膿瘍や感染性膵壊死,膵周囲の血管の破綻,仮性嚢胞の合併などにより大きく左右される.これらの要因まで考慮した重症度基準はなく,またCT検査のみでは十分な情報を収集できない.的確な診断,重症度の判定,治療法の決定には各々の画像診断の特性やその所見の背景を理解し,適切な画像診断を適切なタイミングで施行する必要がある.特にcriticalな症例では必要最小限の検査で効果的な診療を行っていくことが肝要である.
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