特集 腎性貧血治療の課題と対策―HIF-PH阻害薬,ESA,鉄剤をめぐって
6.HIF-PH阻害薬により発現誘導される分子-実験データより
菅原 真衣
1
1東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
キーワード:
低酸素誘導因子
,
低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害薬
,
血管内皮細胞増殖因子
Keyword:
低酸素誘導因子
,
低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害薬
,
血管内皮細胞増殖因子
pp.149-154
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002037
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低酸素誘導因子(HIF)はエリスロポエチン以外にもさまざまな遺伝子の発現を制御するため,HIF-PH阻害薬は造血以外の効果を併せもつ可能性がある.しかし,HIFの制御機構は複雑であり,HIF-PH阻害薬によってすべてのHIFの標的遺伝子が一律に発現誘導されるわけではない.基礎研究で得られた知見からHIF-PH阻害薬の副次的効果を推測する際には,各薬剤の薬理学的特性,HIF-1αとHIF-2αのバランス,臓器・細胞特異的なHIFの役割,遺伝子改変動物を用いた研究のlimitationなどを考慮する必要があり,今後の臨床的検討が不可欠である.
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