特集 腎性貧血治療の課題と対策―HIF-PH阻害薬,ESA,鉄剤をめぐって
5.ESA低反応性は克服可能か
鶴屋 和彦
1
1奈良県立医科大学腎臓内科学
キーワード:
ESA低反応性
,
ERI
,
鉄剤
,
HIF-PH阻害薬
,
ヘプシジン
Keyword:
ESA低反応性
,
ERI
,
鉄剤
,
HIF-PH阻害薬
,
ヘプシジン
pp.139-148
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002036
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CKD患者においてESA低反応性は,独立した腎・心血管予後および生命予後の独立したリスク因子でもあり,その対策は重要である.まずは原因を精査し,原因に対する治療を行うことが重要で,最も頻度が高いのが鉄代謝関連の障害で,鉄剤の適切な投与が重要となる.その他,ペントキシフィリン,亜鉛,ビタミンDなどの投与や血液透析濾過やビタミンE固定化透析膜などによる有効性が無作為化試験によって報告されているが,どれもエビデンスレベルが高いとは言い難い.近年,HIF-PH阻害薬が使用可能となり,多くの治験で,ESA低反応性に対する有効性が認められ,完全とは言わないまでも,ある程度の克服は期待できるようになった.
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