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特集 腎性貧血の最新動向―2025年版CKD患者における腎性貧血治療ガイドラインの要点と実践
各論
2025年版日本透析医学会「慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」の要点と適切な活用に向けて ESA低反応性と予後
ESA hyporesponsiveness and prognosis
坂口 悠介
1
SAKAGUCHI Yusuke
1
1大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科学
キーワード:
赤血球造血刺激因子製剤
,
ESA低反応性
,
ヘモグロビン
,
貧血
,
慢性腎臓病
Keyword:
赤血球造血刺激因子製剤
,
ESA低反応性
,
ヘモグロビン
,
貧血
,
慢性腎臓病
pp.383-386
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002033
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Ⅰ 欧米のエビデンス
赤血球造血刺激因子製剤(erythro-poiesis stimulating agents:ESA)低反応性の概念が認識される契機となったのは1990~2000年代に欧米で行われた複数の大規模ランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)である。その皮切りとなった,いわゆるNormal Hematoit studyは,血液透析患者の目標ヘマトクリット(Ht)として42%(Normal-Ht群)と30%(Low-Ht群)を比較した試験である1)。主要アウトカムである死亡と非致死的心筋梗塞のハザードは,当時の期待に反し,Normal-Ht群で1.3倍(95%信頼区間(CI)0.9~1.9)上昇しており,独立データモニタリング委員の判断により試験が早期中止されるという,センセーショナルな結果であった。Normal-Ht群ではバスキュラーアクセス閉塞も増加していた。

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