特集 腎性貧血治療の課題と対策―HIF-PH阻害薬,ESA,鉄剤をめぐって
4.長時間作用型ESA vs. 短時間作用型ESA
濱野 高行
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科腎臓内科学分野
キーワード:
長時間作用型ESA
,
短時間作用型ESA
,
ダルベポエチン
,
心血管イベント
Keyword:
長時間作用型ESA
,
短時間作用型ESA
,
ダルベポエチン
,
心血管イベント
pp.131-137
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002035
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日本人においても赤血球造血刺激因子製剤(ESA)高用量投与は心血管イベントの増加をもたらすことは,疫学データから判明しており,日本人だから安全というのは根拠のない神話である.日本透析医学会統計調査データの解析によれば,長時間作用型ESAは短時間作用型に比して死亡率が13%高かった.このことは,長時間作用型ESAであっても投与間隔を短くすると総投与量が減ることを考えれば,理解できる結果である.また投与量が多いほど両者の死亡率の差は大きく,ESA用量換算比を考えての層別解析でも同様なことが確認された.たとえばダルベポエチンが15 μg/week以下の投与量ではエポエチンα/βとの死亡率に差はなかったが,それより高用量の投与では短時間作用型ESAのほうが有意に死亡率は低かった.
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