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第1土曜特集 HIVの発見から40年――医学はどう戦ったか,これからどう戦うのか
HIV/AIDSとその治療の新展開
2剤レジメンと長時間作用型治療薬
2-drug regimen and long-acting antiretroviral drugs
松村 次郎
1
Jiro MATSUMURA
1
1日本医科大学付属病院呼吸器内科
キーワード:
1型ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)感染症
,
多剤併用療法(cART)
,
2剤レジメン
,
長時間作用型治療薬
Keyword:
1型ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)感染症
,
多剤併用療法(cART)
,
2剤レジメン
,
長時間作用型治療薬
pp.706-713
発行日 2023年3月4日
Published Date 2023/3/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28409706
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多剤併用療法(cART)の発展により,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症は制御可能な慢性疾患となった.初期のcARTは錠剤数も多いうえに副作用も強く,かならずしもHIV感染者のQOLを高めるものではなかったが,近年,1日1回1錠レジメン(STR)の開発により内服薬としてのcARTは完成型に近づいたといえる.しかし,副作用は依然として存在し,また長期的な安全性も完全には保証されていない.このようななかで,薬剤数を極力減らした2剤レジメンに現在注目が集まっている.従来のcARTと同等の安全性と有効性が示されつつあり,さらに2剤レジメンのなかには長時間作用型治療薬を含むものもあることから,HIV感染者のQOLの大幅な向上が期待される.今後,長時間作用型治療薬を含む2剤レジメンが抗HIV療法の新しい治療戦略の主流を担うと考えられる.
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