2．栄養指導（3）CKD・透析患者に対するガイドラインでの栄養推奨事項

わが国の国民病の一つといえるCKDに対する治療法として，食事療法の重要性が高まっている．CKD患者に対する適切な食事療法は末期腎不全への移行を予防し，心血管疾患（CVD）イベントや脳卒中，死亡率のリスクを低減する．一方，CKD/透析患者の高齢化が顕在化するなか，低栄養の問題も深刻化している．とくに透析患者では透析液への蛋白の漏出や活動時間の制限などによりサルコペニア・フレイルの有病率は高く，必要な栄養素を十分に供給するという理解が必要である．一言で食事療法と言っても，個々の病態によってその内容は異なり，テーラーメイド医療を心がけた食事療法の実施が望まれる．