特集 慢性腎臓病・透析患者の酸化ストレス―最新知見と治療展開
2.慢性腎臓病における酸化ストレス進展機序(1) 慢性腎臓病におけるNrf2―Keap1 経路の役割―CKD 治療薬としての期待
伊東 健
1
,
Liu Jun
1
,
葛西 秋宅
1
1弘前大学大学院医学研究科高度先進医学研究センター分子生体防御学講座
キーワード:
Nrf2
,
Keap1
,
酸化ストレス
,
ミトコンドリア
Keyword:
Nrf2
,
Keap1
,
酸化ストレス
,
ミトコンドリア
pp.1521-1527
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001527
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慢性腎臓病(CKD)は緩徐に進行する腎機能低下であり,腎臓濾過量低下と尿蛋白陽性がその診断基準である.CKDは糖尿病性腎症,高血圧性腎症,急性腎障害などを背景として発症し,その病態形成・進行には酸化ストレスや慢性炎症が深く関わっている.Nrf2(NF―E2―related factor 2)は後生動物にみられる塩基性―ロイシンジッパー(bZip)型の転写因子で親電子性物質の解毒代謝,酸化ストレス防御,炎症制御に重要な役割を果たす.Nrf2活性化薬であるバルドキソロンメチル(BARD/RTA402)はCKDの病態修飾薬として現在臨床試験が進行中である.本稿ではCKDにおけるNrf2経路の役割について概説する.
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