特集 ストレス応答性転写因子:その新機能とがん、免疫・代謝・変性疾患との関係
Keap1-Nrf2制御系と疾患の治療戦略
村上 昌平
1
,
本橋 ほづみ
1東北大学加齢医学研究所 遺伝子発現制御分野
キーワード:
異物
,
肝再生
,
疾患
,
腫瘍
,
多発性硬化症
,
糖尿病-2型
,
糖尿病性腎症
,
酸化ストレス
,
NF-E2-Related Factor 2
,
分子標的治療
,
Kelch-Like ECH-Associated Protein 1
,
生体防御
,
Dimethyl Fumarate
Keyword:
Dimethyl Fumarate
,
Kelch-Like ECH-Associated Protein 1
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Diabetic Nephropathies
,
Foreign Bodies
,
Disease
,
Liver Regeneration
,
Multiple Sclerosis
,
Neoplasms
,
Oxidative Stress
,
NF-E2-Related Factor 2
,
Molecular Targeted Therapy
pp.728-733
発行日 2014年6月22日
Published Date 2014/6/22
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Nrf2は外来異物や酸化ストレスに応答して活性化し,生体防御に関わる遺伝子の発現を誘導する転写因子である.Nrf2機能は Keap1によりタンパク質レベルで調節されており, Keap1-Nrf2制御系は細胞の恒常性維持に重要である. Nrf2の活性化は化学発がんの予防や毒物に対する抵抗性の獲得などに効果がある.一方,近年の研究から, Nrf2の活性化は肝再生の促進や糖尿病の予防,さらに糖尿病性腎症の改善にも有効であることが示唆されている.また,Nrf2活性化剤の 1つである BG-12はすでに多発性硬化症の治療薬として実用化されている.このように Keap1-Nrf2制御系は様々な疾患の予防・治療のための分子標的として期待されている.
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