特集 慢性腎臓病・透析患者の酸化ストレス―最新知見と治療展開
2.慢性腎臓病における酸化ストレス進展機序(3)慢性腎臓病進展におけるAGEs
田中 誠太郎
1
,
大野 礼一
1
,
山崎 理予
2
,
永井 竜児
1,2
1東海大学大学院農学研究科
2東海大学農学部バイオサイエンス学科
キーワード:
終末糖化産物
,
メチルグリオキサール
,
glyoxalase 1
,
腎臓クリアランス
Keyword:
終末糖化産物
,
メチルグリオキサール
,
glyoxalase 1
,
腎臓クリアランス
pp.1534-1538
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001529
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終末糖化産物(AGEs)の蓄積は,慢性腎臓病の罹病期間に応じて増加する.本疾患の蓄積要因として,①酸化ストレスの上昇,②腎臓クリアランスの低下が考えられる.とくにメチルグリオキサール(MG)由来のAGEsは腎機能の低下とともに蓄積し,MGの解毒酵素であるglyoxalase 1の発現量は腎臓クリアランスと相関するなど,AGEsが腎機能のマーカーとなる可能性が数多く報告されている.しかし,AGEs量の正確な評価には質量分析装置や高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法などの機器分析が必須であり,医療現場に導入するのは困難である.簡便かつ正確な定量方法が普及すれば,より明確なAGEs蓄積による病態発症への機序が解明されるかもしれない.
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