特集 慢性腎臓病・透析患者の酸化ストレス―最新知見と治療展開
1.総論(3)腎移植と酸化ストレス
芦田 明
1
,
服部 元史
2
1大阪医科大学小児科
2東京女子医科大学腎臓小児科
キーワード:
虚血再灌流障害
,
抗酸化防御システム
,
ミトコンドリア障害
Keyword:
虚血再灌流障害
,
抗酸化防御システム
,
ミトコンドリア障害
pp.1513-1519
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001526
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老廃物の蓄積やそれに伴う代謝異常により,多くの酸化ストレスに曝露される状態にある末期腎不全患者において,腎移植は腎機能回復によりさまざまな代謝異常の改善や酸化ストレスの減少が期待できる治療法で,現時点で腎代替療法のなかでもっとも優れていると考えられる.しかし,腎移植施行時には,移植術中の虚血再灌流や移植後の免疫抑制薬の服薬は不可避であり,その結果生じる酸化ストレスの曝露は避けられない.この酸化ストレスの曝露は移植腎機能予後に大きく影響すると考えられており,腎移植に関連して発生する酸化ストレスを正確に理解,対処し,その発生をコントロールすることは移植腎機能を保持していくうえで非常に重要である.
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