雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Cell Technology Volume 31, Issue 2 （January 2012）

細胞工学 31巻2号（2012年1月発行）

特集活性酸素シグナル制御とレドックスホメオスタシス

酸化ストレスシグナルとKeap1-Nrf2システムの役割村上昌平 ¹ , 本橋ほづみ ¹東北大学大学院医学系研究科医化学分野博士課程キーワード：シグナルトランスダクション , 異物 , 炎症 , 活性酸素 , 幹細胞 , 細胞分化 , オメガ3脂肪酸 , 放射線抵抗性 , 酸化ストレス , 抗腫瘍剤耐性 , 細胞増殖 , NF-E2-Related Factor 2 , 15-Deoxy-Delta-12,14-Prostaglandin J2 , Kelch-Like ECH-Associated Protein 1 , 8-Nitroguanosine 3',5'-Cyclic Monophosphate Keyword: Kelch-Like ECH-Associated Protein 1 , Cell Differentiation , Foreign Bodies , Inflammation , Radiation Tolerance , Stem Cells , Signal Transduction , Fatty Acids, Omega-3 , Reactive Oxygen Species , Oxidative Stress , Drug Resistance, Neoplasm , NF-E2-Related Factor 2 , Cell Proliferation , 15-deoxy-delta(12,14)-prostaglandin J2 , 8-nitroguanosine 3',5'-cyclic Monophosphate pp.144-149

発行日 2012年1月22日 Published Date 2012/1/22

PDF(2877KB)

有料閲覧

文献概要
1ページ目

酸化ストレスが生理的・病理的な様々な局面で重要な機能を果たすことから，酸化ストレス認識・応答機構であるKeap1-Nrf2システムが着目されている．Keap1-Nrf2システムは，正常細胞において酸化ストレスに対して細胞防御的に機能する．しかし，癌細胞では抗癌剤耐性・放射線耐性の獲得に寄与している．また，炎症時にはシグナル分子として生体内親電子物質を認識し，消炎作用に寄与すると考えられる．幹細胞では酸化ストレスレベルの調整を介して，幹細胞性の維持や増殖・分化制御を担っていることが示唆されている．このように細胞の機能調節や増殖・分化制御におけるKeap1-Nrf2システムの重要な役割が明らかになりつつある．