症例報告
血液透析回路中の可塑剤DEHP に対して,アナフィラキシーショックを起こしたことが疑われた血液透析患者の1 例
渋谷 論之
1
,
岩﨑 圭右
1
,
海老原 正行
1
,
安部 えりこ
1
,
原 美朋
1
,
竹下 康代
1
1大和市立病院腎臓内科
キーワード:
PVC
,
血液透析
,
DEHP
,
アナフィラキシーショック
,
TOTM
Keyword:
PVC
,
血液透析
,
DEHP
,
アナフィラキシーショック
,
TOTM
pp.864-867
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001359
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血液透析中の血圧低下はもっとも頻繁で,かつ,重要な問題の一つである.しかし,血圧低下の原因は多岐にわたり,臨床現場ではたびたび鑑別に苦慮するため,問題として残り続けることも少なくない.原因の一つとして,アレルギーに伴う血圧低下も多く経験するが1),透析膜や抗凝固薬によるアレルギーがほとんどである.今回,血液透析回路中のポリ塩化ビニル製剤(polyvinylchloride;PVC)に含まれる可塑剤であるフタル酸ジ―2―エチルヘキシル〔di―(2―ethylhexyl) phthalate;DEHP〕に対して,アナフィラキシーショックを起こしたことが疑われる症例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.
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