OPINION
ポストコロナ時代の透析医療―看護の力が問われる時代がくる
下山 節子
1
1NPO 法人日本看護キャリア開発センター
pp.755-756
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001341
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今年は近代看護教育の母であり,世界の感染管理の礎を築いたと称されるナイチンゲール生誕200 年に当たり,世界中でNursing Now キャンペーンが展開されている.これは,看護職が人々の健康向上に貢献するために行動する,世界的なキャンペーンである.新型コロナウイルス感染症(COVID―19)が世界中に蔓延したこの機に,改めてナイチンゲールが培ってきた看護の力が求められている.ナイチンゲールは,清潔さや,清浄な空気を取り込む換気の重要性を説き,感染による死亡率を劇的に改善したが,そのためには,管理と教育がいかに重要かについて言及している. 現代にあっても,看護管理者の役割は,時代のニーズを読み,多職種と協働して感染管理などの医療安全の組織システムを構築し,人材確保して看護の質を保証し,継続教育できる学習する組織を創ることにある.しかしながら,透析医療の現場では,小規模施設が多くを占めており,組織体制や継続教育の充実をはかるには課題も多い.ポストコロナ時代の到来を踏まえ,透析現場の看護管理者が,何をするべきか,ナイチンゲールが問う「看護の力」をいかに発揮するか,さらなる自己研鑽が求められる.
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