特集 世間の荒波にもまれるCKD-MBD 治療
4.腎移植前後のCKD-MBD治療(2)腎移植後のCKD-MBD 治療
木村 貴明
1
,
八木澤 隆
1
1自治医科大学腎泌尿器外科学講座腎臓外科学部門
キーワード:
FGF23
,
リン利尿
,
三次性副甲状腺機能亢進症
Keyword:
FGF23
,
リン利尿
,
三次性副甲状腺機能亢進症
pp.386-391
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001233
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慢性腎臓病の骨代謝異常は生命予後に大きな影響を与える.腎移植は,腎機能改善のみならず骨代謝異常も改善する.移植直後は高FGF(fi broblastgrowth factor)23 血症を合併する.そこに正常な腎臓が移植されるため,リン利尿が亢進して低リン血症を呈する.高FGF23 血症は,腎不全病態の改善に伴い1 年程度で正常化する.FGF23,副甲状腺ホルモン(PTH),活性型ビタミンD のフィードバック機構により,高PTH 血症,高カルシウム血症も改善してくる.腎機能が安定し,通常の食事摂取ができる場合は,定期的な骨代謝関連検査値の経過観察で十分である.一方で,遷延性副甲状腺機能亢進症を合併し,持続的な高PTH 血症,高カルシウム血症を認める場合は,副甲状腺インターベンションを検討する.
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