特集 AKI診療のエビデンスと課題
8.AKI 患者における栄養・代謝管理
加藤 明彦
1
1浜松医科大学医学部附属病院血液浄化療法部
キーワード:
permissive underfeeding
,
たんぱく質摂取
,
経腸栄養
,
持続的腎代替療法
,
集中治療後症候群
Keyword:
permissive underfeeding
,
たんぱく質摂取
,
経腸栄養
,
持続的腎代替療法
,
集中治療後症候群
pp.625-634
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000910
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急性腎障害(AKI)患者の栄養介入により,① permissive underfeeding は持続的腎代替療法の導入を減らす可能性があること,② ICU 在室中は経腸栄養が望ましく,静脈栄養の併用は7 日目以降に開始すること,③ とくにインスリン使用中のAKI 患者では低血糖に注意すること,④ AKI 患者はフレイルを発症しやすいため,ICU 退出後も長期にわたる栄養管理や運動リハビリテーションが必要であること,などが明らかとなっている.AKI 患者の多くは高齢者のため,救命のための集中治療後にサルコペニア,認知機能低下,メンタルストレスなどの集中治療後症候群で苦しむ可能性がある.そのため,AKI 患者の栄養管理は,人工呼吸器装着期間やICU 在室日数・入院日数の短縮だけでなく,AKI 回復後の身体機能低下を回復させるとともにCKD 進展抑制を目標とする.
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