特集 腹膜透析患者のキュア&ケアのレベルアップ
7.腹膜炎
神崎 資子
1
1倉敷中央病院腎臓内科
キーワード:
排液培養
,
高齢者
,
assisted PD
,
無菌性腹膜炎
Keyword:
排液培養
,
高齢者
,
assisted PD
,
無菌性腹膜炎
pp.1565-1572
発行日 2018年12月10日
Published Date 2018/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000738
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わが国の腹膜透析関連腹膜炎の発症率は,減少傾向にあり,世界と比べて遜色はない.しかしながら,原因の1 位が不明であることや,培養陰性率が高いなどの問題がある.排液培養は腹膜炎の治療の成否を左右する重要な検査であり,血液培養ボトルを使用し,沈殿物の濃縮培養も行うべきである.腹膜炎の発症をゼロにするために,原因となるバッグ交換時の汚染,カテーテル破損などのトラブル,内因性感染,トンネル・出口部感染の対策が必要であり,これらには進歩がみられる.しかしながら,高齢患者の増加により,今後は腹膜炎の低減を目指すのみでなく,ハイリスク患者の認識や指導の個別化,地域社会が基盤となったサポート体制など多面的なアプローチが必要と考える.
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