ケース・スタディ
血液透析中の血圧低下後,急激な腹痛が出現し,透析中断後も症状消失しなかった1 例
井口 昭
1
,
熊谷 優
2
,
佐藤 勇也
1
,
山﨑 肇
1
1長岡赤十字病院腎臓内科
2長岡赤十字病院腎臓内科消化器内科
キーワード:
non occlusive mesenteric ishemia(NOMI)
,
門脈ガス血症
,
持続性低血圧
,
急性腹症
,
血液透析
Keyword:
non occlusive mesenteric ishemia(NOMI)
,
門脈ガス血症
,
持続性低血圧
,
急性腹症
,
血液透析
pp.422-426
発行日 2018年4月10日
Published Date 2018/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000415
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
現病歴:61 歳時に右腎癌で右腎摘出術施行.69 歳時に腎機能障害,蛋白尿出現.血尿なく,慢性腎炎+片腎による慢性腎臓病と診断した.82 歳時に慢性腎炎による慢性腎不全で維持透析に導入された.同年,左腎癌で左腎摘出術施行.以後,収縮期血圧80~90 mmHg の持続性低血圧を呈していた. X 年10 月,週初め透析日の血液透析開始時はとくに自覚症状は認めなかった.血圧76/38 mmHg,脈拍78/min,体温36.3 ℃,体重増加1.7 kg(DW 61.7 kg).透析開始1時間後,ショックとなり生理食塩水充塡.すぐに血圧上昇し,意識は改善したが,右上腹部痛が出現した.嘔吐,軟便排出あるも,腹部症状改善せず.
Copyright © 2018, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.