増刊号 形成外科学界未来予想図
3.CALの過去・現在・未来
淺野 裕子
1
1亀田総合病院乳腺センター乳房再建外科
pp.S128-S131
発行日 2023年6月30日
Published Date 2023/6/30
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2023130038
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Ⅰ 概 要
乳房への脂肪注入移植術は,生着の不確実性と手術後に起こる線維化や石灰化が問題となっていた。基礎研究において,吸引脂肪組織の中には,切除脂肪に比べて脂肪組織由来幹細胞(adipose-derived stem cells:以下,ASCs)が相対的に少ないことがわかり 1),このASCsを含む間質血管細胞群(stromal vascular fraction:以下,SVF)を別の脂肪から採取して,移植脂肪に添加する方法がYoshimuraら 2)によってcell-assisted lipotransfer(以下,CAL)として報告された。移植用の脂肪が足場となり,添加したASCsによって脂肪注入移植後の生着を高める効果をもたらすと考え,軟部組織増大の目的に臨床応用が開始された。
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