増刊号 形成外科学界未来予想図
2.再生医療で血管再生・新生を担う(世の中の虚血をなくす)
田中 里佳
1
,
古川 聖美
2
,
藤井 美樹
3
,
藤村 聡
4
1順天堂大学大学院医学研究科再生医学
2順天堂大学医学部形成外科学講座
3順天堂大学附属順天堂医院足の疾患センター
4順天堂大学大学院難病の診断と治療研究センター
pp.S124-S127
発行日 2023年6月30日
Published Date 2023/6/30
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2023130037
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Ⅰ 概 要
血管による血流の維持は個体の生命維持に必要不可欠な機能である。現在の医療において,心筋梗塞,脳梗塞,閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化で生じる虚血性疾患の治療対象は「大血管」に留まり,「微小血管」の治療法は確立されていない。微小血管が再生・新生できる治療法が確立できれば多くの虚血性疾患を救える。将来的にバイパス術や血行再建術が不要になることはないと思われるが,血管再生治療が予防的にも使用できるようになれば,大血管障害が重症化する前の早期に微小血管再生が促せるようになり,治療介入が必要な虚血性疾患が極端に少なくなると想像する。
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