日本老年看護学会第16回学術集会特集 学術集会長講演
老年看護の過去・現在・未来
中島 紀惠子
1
1前・日本看護協会看護研修学校
pp.5-12
発行日 2011年11月30日
Published Date 2011/11/30
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はじめに
筆者の老年看護への取り組みは40歳なかば(年代では1970年代以降)より始まった.教育・研究者としてはむしろ遅い出発である.しかし,わが国の老年看護に限定すれば,その先頭近くを歩いてきたほうであるため,高齢者を取り囲む社会文化・政策や看護学教育研究の変化がみえやすい位置にいたと思う.その分,自分のみてきたものの意味を考えながら新しい発見をし,自身の行動の枢軸が変わっていく経験をする期間も周囲の人たちより少し長かったのではあるまいか.
講演テーマを「老年看護の過去・現在・未来」としたのは,いうところの「歴史」ではなく,筆者自身の生きてきた時間に蓄積されている記憶を語りたいと思ったからにほかならない.そのほうが,この分野のわずか数十年の間に筆者が経験した出来事と,そこで揺れたり,怒ったり,覚悟してきた時々の自らの活動と,そこで発見した意味や新しい学びをストレートに伝えられると考えた.その道案内となるのが資料1の経験史的年表である.
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