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特集 脳性麻痺児者への作業療法—現在,過去,そして,未来を拓く
現在,過去,そして,未来を拓く
To open future, considering present and past of occupational therapy for people with cerebral palsy
黒澤 淳二
1
Junji Kurosawa
1
1大阪発達総合療育センター
pp.142-144
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202001
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Key Questions
Q1:階層性理論とは?
Q2:ハビリテーションとリハビリテーションの違いとは?
Q3:重症児や幼少期の本人主体とは?
はじめに
筆者が勤務する大阪発達総合療育センターは,50年前の1970年(昭和45年)に,わが国で初めてボバース概念を導入・実践する肢体不自由児施設「聖母整肢園」として設立した.1982年(昭和57年)に「南大阪療育園」と改称,2006年(平成18年)から重症心身障害児者施設等を併設した複合施設の総称として現名称を名乗るようになった.
設立当時,脳性麻痺のある子どもに対する肢体不自由児施設の役割は,専ら収容だったという.脳性麻痺児の早期からのリハ医療と在宅移行・家庭療育を提唱した,当時としては斬新な設立理念は,非常識とまで批判されたようである.しかし,半世紀を待たずして,現在では人工呼吸器を装着した乳幼児者が地域で家族と在宅生活をするようになっている.どうやら未来というのは想定外で,想像以上のことが起きるものらしい.しかし「歴史は繰り返す」というように,人の思考や行動はそれほど大きくは変わらないようにも思う.
本稿では,特集のまとめとして,前出の5本の玉稿を踏まえつつ,脳性麻痺児者への作業療法の歴史的変遷を概観し,脳性麻痺児者への作業療法の未来について考えてみたい.
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