投稿論文 紹介
華岡青洲による最初の乳癌手術と吉益東洞の"尽人事而待天命"
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
医療関係者の態度
,
乳房腫瘍
,
江戸期医学史
,
華岡青洲
,
吉益東洞
Keyword:
Attitude of Health Personnel
,
Breast Neoplasms
pp.446-456
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022140595
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華岡青洲は乳癌手術のために"麻沸散"や"膏方"の開発に長年尽瘁した。しかし、患者藍屋勘の乳癌手術を目前にして逡巡した。日本や中国で前人未踏の治療法であったからである。青洲に手術を決断させたのは、心酔する吉益東洞の標語"尽人事而待天命"であった。青洲はこの心境を「乳巖治験録」に"古人不曰乎。尽人事。而待天命。"と記している。"古人"とは東洞のことである。青洲は東洞が「医断」で主張した思想を乳癌手術で実践した。
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