投稿論文 紹介
華岡青洲の医学思想の限界
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
医学書誌
,
医哲学
,
乳房腫瘍
,
漢方医学
,
江戸期医学史
,
華岡青洲
,
吉益東洞
Keyword:
Bibliography of Medicine
,
Philosophy, Medical
,
Breast Neoplasms
,
Medicine, Kampo
pp.915-925
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022250892
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華岡青洲と吉益東洞の著述を比較検討して、彼らの思想を生命観、疾病観、処方、術、著述の面から比較検討した。青洲の医学思想を概観すれば、出版に対する態度以外はほとんど東洞の医哲学を踏襲したものであることが理解できる。若年時から東洞の著述に傾倒した結果であろう。東洞は"生死"を"天命"としたが、青洲は患者の治療に最善を尽くして、"天"から与えられた寿命を全うさせることが医師の最大の使命であるとし、このことを乳癌手術によって具現した。これを標語で示したのが"活物窮理"である。しかし、ここにこそ青洲の医学思想の限界がある。
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