投稿論文 紹介
永富独嘯庵の「漫遊雑記」が華岡青洲に与えた影響
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
医学書誌
,
乳房腫瘍
,
薬学史
,
江戸期医学史
,
通仙散
,
永富独嘯庵
,
華岡青洲
Keyword:
Bibliography of Medicine
,
History of Pharmacy
,
Breast Neoplasms
pp.438-444
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021194623
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麻沸散の開発は華岡青洲の大きな業績である。一方、禁方(非伝統的処方)の研究が青洲のもう一つの大きな業績であった。京都遊学中に永富独嘯庵の「漫遊雑記」を読んだことが乳癌手術の契機となったが、禁方の研究もまた「漫遊雑記」に触発されたと考えられる。以来、青洲は禁方の収集に努め、1791年に「禁方(拾)録」(13巻)、1821年に「続禁方録」(7巻)を完成した。前者は約900方、後者は約1,200方の禁方を収載している。「漫遊雑記」は青洲の生涯に大きな影響を与えた。
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