投稿論文 紹介
華岡青洲の"理"と吉益東洞の"理"
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
医師の役割
,
医哲学
,
用語法
,
江戸期医学史
,
華岡青洲
,
吉益東洞
Keyword:
Physician's Role
,
Philosophy, Medical
,
Terminology as Topic
pp.670-679
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022245837
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華岡青洲は思想的に吉益東洞から強い影響を受けた。東洞は"医の任は疾病を治すのみ"と主張した。これを援用したのが青洲の標語"活物窮理"である。この4文字の心髄は"理"である。青洲は"理"を"天寿"の意で用いたが、東洞は「医断」などの主著で"理"を"原理"、"原則"の意で使用しており、"天寿"を意味する用例はない。青洲は"理"を"天寿"の意として用いることによって、東洞から受けた思想を一歩進化させたといえる。
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