投稿論文 紹介
春林軒門人・西山砂保の出雲における1816年の乳房腫瘍摘出術
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
医学書誌
,
全身麻酔
,
乳房腫瘍
,
乳房切除術
,
伝記
,
文献学
,
江戸期医学史
,
麻沸散
,
西山砂保
Keyword:
Anesthesia, General
,
Bibliography of Medicine
,
Mastectomy
,
Philology
,
Breast Neoplasms
,
Biographies as Topic
pp.328-334
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021138955
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華岡流の医師がどのように普及したかは大きな課題であるが、十分に解明されていない。文化年間(1804-1818)の春林軒入門者は407人を数えるが、この間の彼らによる乳癌手術症例はいまだ知られていない。著者は、1811年に入門した出雲の西山砂保の写本「乳癌治験」を発掘した。彼は1816年に出雲で17歳の女性の乳房腫瘍摘出術を全身麻酔下に行ったとするが、乳癌ではなかった可能性が高い。術後経過も順調で20日余りで退院し、その後結婚して数子を生んだ。
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