投稿論文 紹介
春林軒門人難波経直の"麻沸湯論条評"について
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
医学書誌
,
薬学史
,
江戸期医学史
,
麻沸散
,
難波経直
,
鎌田玄台
Keyword:
Bibliography of Medicine
,
History of Pharmacy
pp.1021-1028
発行日 2021年9月10日
Published Date 2021/9/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021354604
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1857年に春林軒の門人難波経直は「外科小補」を執筆し、鎌田玄台の「外科起癈」に自己の経験を加えて論評を加えた。「外科起癈」の"麻沸湯論"を論じたのが経直の"麻沸湯論条評"である。この中で経直は玄台と異なる意見として、(1)"麻沸湯"に代わって"麻薬"の語を用いるべきとし、(2)"麻沸湯"の烏頭は作用が激しいので去るべきとして、これを欠いた5味の"麻沸湯"の使用を提唱し、そして(3)"麻沸湯"の投与量を玄台のそれの70%に減じた。副作用を減じ、安全性を担保するためであった。
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