投稿論文 短報
膿胸に対する開胸術後鎮痛に超音波ガイド下神経ブロックを施行した2症例
高橋 慶多
1
,
八田 万里子
,
信國 桂子
,
江藤 綾
,
吉野 淳
,
藤村 直幸
1雪ノ聖母会聖マリア病院 麻酔科
キーワード:
Lidocaine
,
開胸術
,
術後管理
,
術後痛
,
神経ブロック
,
膿胸
,
鎮痛法
,
インターベンショナル超音波診断
,
Ropivacaine
,
胸部CT
Keyword:
Analgesia
,
Empyema, Pleural
,
Ultrasonography, Interventional
,
Lidocaine
,
Thoracotomy
,
Nerve Block
,
Pain, Postoperative
,
Ropivacaine
,
Postoperative Care
pp.1197-1201
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021050829
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開胸術後の鎮痛方法として一般に硬膜外鎮痛法(EPI)や傍脊椎ブロック(PVB)が推奨されているが、硬膜外血腫や気胸などの重篤な合併症も報告されている。また、抗凝固療法の普及に伴い、EPIやPVBが躊躇されるような症例も増えている。一方、レトロラミナールブロック(RLB)や脊柱起立筋膜面ブロック(ESPB)は重篤な合併症が少なく、胸部外傷や肥満患者において高い鎮痛効果が得られたとの報告が散見される。今回、膿胸に胸膜炎を合併し、穿刺・薬物注入部位やカテーテル留置部位が感染巣に接しているためPVBは相対的禁忌と考えられた症例2例(症例1:62歳男、症例2:66歳男)を経験した。症例1は感染に伴う凝固能の延長を認め、症例2は心房細動を合併し術後早期の抗凝固療法再開が必要であったため、術後鎮痛法は超音波ガイド下にそれぞれRLB、ESPBを施行し、いずれも高い鎮痛効果が得られた。
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