投稿論文 短報
スガマデクス投与後に致死的不整脈から心停止を来し、冠攣縮が疑われた1症例
篠井 尚子
1
,
寒竹 倫子
,
前田 麻里
,
株丹 浩二
1国立病院機構岡山医療センター 麻酔科
キーワード:
Diltiazem
,
冠れん縮
,
心室細動
,
心停止
,
脊柱管狭窄
,
全身麻酔
,
椎弓切除術
,
期外収縮-心室性
,
Nicorandil
,
Remifentanil
,
Rocuronium
,
Sevoflurane
,
Sugammadex
Keyword:
Anesthesia, General
,
Spinal Stenosis
,
Laminectomy
,
Heart Arrest
,
Ventricular Fibrillation
,
Sugammadex
,
Remifentanil
,
Rocuronium
,
Sevoflurane
,
Diltiazem
,
Coronary Vasospasm
,
Ventricular Premature Complexes
,
Nicorandil
pp.1110-1113
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021033176
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58歳男。腰部脊柱管狭窄症に対して腰椎椎弓切除術を施行し、手術は問題なく終了した。終了後にスガマデクス200mgを投与した直後に多源性心室期外収縮が出現し、心室細動(VF)となり心停止に陥った。ただちに胸骨圧迫を開始し、アドレナリンとリドカインの静注を2回行ったが心拍再開せず、アドレナリン静注と200Jでの除細動を繰り返し施行した。自己心拍が戻らないため、右大腿動静脈からPCPS導入を試みたところ、静脈カニューレ挿入時に多量の血栓が吸引された。PCPSを駆動させようとしたところ、動脈カニューレからの逆血も弱く、カットダウン法でのカニューレ入れ直しを試みているところで自己心拍が再開したため、結局PCPSは使用しなかった。VF発症から自己心拍再開までの時間は45分であった。術後1日目に再度VFとなり循環虚脱に陥った。ただちに胸骨圧迫と除細動を行い、VF発症から4分で自己心拍が再開した。初回VF時に心停止をきたした原因を明らかにすることはできなかったが、VF再発時に施行したCAG検査のアセチルコリン負荷試験で冠攣縮が誘発されたことから、冠攣縮による可能性が高いと考えられた。
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