投稿論文 短報
術中低血圧に対する昇圧薬投与後に冠攣縮性狭心症を発症し、短時間で心停止に至った症例の麻酔経験
石堂 瑛美
1
,
神 季
,
大石 理江子
,
箱崎 貴大
,
今泉 剛
,
小原 伸樹
,
五十洲 剛
,
黒澤 伸
,
村川 雅洋
1福島県立医科大学 医学部麻酔科学講座
キーワード:
Ephedrine
,
胃腫瘍
,
冠れん縮
,
吸入麻酔
,
狭心症-異型
,
硬膜外麻酔
,
術中合併症
,
静脈麻酔
,
心電図
,
心停止
,
低血圧
,
Amlodipine
,
Nicorandil
Keyword:
Anesthesia, Epidural
,
Anesthesia, Inhalation
,
Angina Pectoris, Variant
,
Anesthesia, Intravenous
,
Ephedrine
,
Stomach Neoplasms
,
Amlodipine
,
Hypotension
,
Intraoperative Complications
,
Heart Arrest
,
Coronary Vasospasm
,
Electrocardiography
,
Nicorandil
pp.995-999
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021070130
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63歳男性。早期胃癌に対する腹腔鏡下噴門側胃切除術中の低血圧に対し、昇圧薬を反復投与した。モニター心電図上ST上昇から心停止に至ったが、心肺蘇生により救命し得た。その後の検査で冠攣縮性狭心症と診断され、ニコランジル、アムロジピンの内服を開始した。内服開始後は冠攣縮の発作なく、2ヵ月後に胃切除術を施行し、術後の経過は良好であった。本症例では喫煙などによる血管内皮障害を背景に、胸部硬膜外麻酔による循環血液量の減少とカテコールアミンに対する感受性の増大した状態に、血管収縮薬を頻回に投与した結果、心筋酵素消費量の増大、冠動脈攣縮を発症したと考えられた。
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