投稿論文 短報
麻酔導入時にロクロニウムによるアナフィラキシーが疑われたが、手術を施行した肝ドナー手術の麻酔経験
山田 高嗣
1
,
芝 順太郎
,
小川 薫
,
竹内 護
1自治医科大学 麻酔科学・集中治療医学講座
キーワード:
アナフィラキシー
,
Norepinephrine
,
肝臓移植
,
全身麻酔
,
過敏症-薬物
,
リビングドナー
,
臓器と組織の採取
,
Rocuronium
Keyword:
Anaphylaxis
,
Anesthesia, General
,
Norepinephrine
,
Liver Transplantation
,
Rocuronium
,
Drug Hypersensitivity
,
Living Donors
,
Tissue and Organ Harvesting
pp.1107-1109
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021033175
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40歳男。非代償性肝硬変の母親に対する生体肝移植ドナーの肝右葉グラフト摘出術を予定した。麻酔導入はプロポフォール、フェンタニル、レミフェンタニル、ロクロニウムで行った。気管挿管後に抗菌薬セファゾリンの投与を開始した。動脈ライン確保および胃管挿入中に収縮期血圧50mmHg台が続き、昇圧薬への反応はなかった。フェニレフリンを使用した時点で全身にピンク色の膨疹が出現し、アナフィラキシーと考えられたが、レシピエント手術が既に開始された状況でのドナー手術であったことと、呼吸状態は安定していたことから手術を続行し、無事終了した。アナフィラキシー被疑薬は当初セファゾリンを疑ったが、ロクロニウムを追加投与したときに血圧が低下したことから被疑薬はロクロニウムと考えられた。
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