投稿論文 短報
低侵襲心臓外科手術による僧帽弁形成術中に左冠動脈回旋枝を損傷した1症例 ハイブリッド手術室の有用性
木原 優紀
1
,
日野 秀樹
,
松浦 正
,
西川 精宣
1大阪市立大学 大学院医学研究科麻酔科学講座
キーワード:
冠動脈疾患
,
手術室
,
術中合併症
,
術中期
,
僧帽弁閉鎖不全症
,
心肺バイパス術
,
冠血管造影
,
最小侵襲手術
,
僧帽弁形成術
,
非体外循環下冠状動脈バイパス術
Keyword:
Cardiopulmonary Bypass
,
Mitral Valve Insufficiency
,
Coronary Angiography
,
Intraoperative Complications
,
Intraoperative Period
,
Operating Rooms
,
Coronary Disease
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Coronary Artery Bypass, Off-Pump
,
Mitral Valve Annuloplasty
pp.1089-1091
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021033170
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21歳女。後尖逸脱による僧帽弁閉鎖不全症に対して3D内視鏡補助下に僧帽弁形成術を施行した。人工心肺離脱後から心電図でのST軽度上昇とともに経食道心エコーで左室後壁の運動異常を認めたが、当初は空気塞栓による一過性の変化と考え、経過観察した。STは更に上昇し、閉胸時に心室細動が出現したため直ぐに電気的除細動を行い、洞調律に復帰した。手術はハイブリッド手術室で行っていたため冠動脈造影を施行したところ左冠動脈回旋枝が閉塞しており、経皮的冠動脈形成術を行った。しかしガイドワイヤーが病変部位を通過できず、施行は不可能であったため、胸骨正中切開によるオフポンプ冠動脈バイパス術を追加で行った。その結果、ST上昇は改善し、血行動態も安定した。
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