発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007228155
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91歳女性。労作時呼吸苦が出現し、心エコーにより重度の僧帽弁閉鎖不全(MR)が認められた。薬物療法が施行されたが日常生活動作(ADL)はほぼ寝たきりとなり、薬物療法での心不全のコントロールは困難であった。胸部X線で心拡大、両側胸水と肺うっ血を認めた。経胸壁心エコーでは左室駆出率は71%と心収縮能は保たれており、P2を中心とした逸脱と重度のMRを認めた。左室造影では局所壁運動異常を認めず、Sellers分類IV度のMRを認めた。胸骨正中切開、体外循環下、大動脈遮断下に右側左房切開にてアプローチし、僧帽弁形成術を施行した。手術時間は244分、体外循環時間は104分、大動脈遮断時間は68分であった。結果、ADLは全自立まで回復し、術後97日目に独歩にて自宅退院となった。術後胸部X線にて心拡大、両側胸水、肺うっ血の改善を認め、心エコーでは軽度のMRを認めるのみであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007