投稿論文 短報
妊娠中の心不全急性増悪により緊急帝王切開を行った肥大型心筋症合併ヌーナン症候群患者の麻酔経験
田口 美弥子
1
,
石崎 泰令
,
一ノ宮 大雅
,
井上 陽香
,
関野 元裕
,
原 哲也
1長崎大学 医学部麻酔学教室
キーワード:
Fentanyl
,
Noonan症候群
,
Norepinephrine
,
Propranolol
,
呼吸困難
,
酸素飽和度測定
,
心筋症-肥大性
,
心不全
,
心房細動
,
全身麻酔
,
帝王切開術
,
妊娠合併症-心臓血管系
,
産科麻酔
,
Sevoflurane
,
緊急手術
,
臨床的増悪
,
早産-切迫
Keyword:
Atrial Fibrillation
,
Anesthesia, General
,
Anesthesia, Obstetrical
,
Fentanyl
,
Norepinephrine
,
Noonan Syndrome
,
Heart Failure
,
Oximetry
,
Clinical Deterioration
,
Sevoflurane
,
Propranolol
,
Pregnancy Complications, Cardiovascular
,
Dyspnea
,
Cesarean Section
,
Cardiomyopathy, Hypertrophic
pp.1092-1096
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021033171
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29歳女。出生時から心室中隔欠損や肥大型心筋症(HCM)を認め、遺伝子検査でヌーナン症候群と診断され、その後、慢性心不全(CHF)に対して経過観察が行われていた。非妊時の日常生活レベルは階段昇降不可能で高度の身体活動制限があり、NYHA心機能分類III度の状態であった。経過観察中に妊娠が判明し、妊娠18週時に発作性心房細動(PAF)を発症した。PAFは治療抵抗性で、HCMやCHFの増悪も懸念されたため、妊娠分娩管理目的で妊娠29週時に当院に入院した。妊娠32週時にCHF急性増悪となり、緊急帝王切開を行った。麻酔中の循環変動に対して血管収縮薬などを用いた血管床のコントロールを行い、最低限の輸液負荷で合併症を起こすことなく帝王切開を施行することができた。
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