手術の工夫
完全内臓逆位に対する僧帽弁形成術 逆行性冠灌流・心拍動下逆流試験の有用性
寺田 真也
1
,
山内 昭彦
1豊見城中央病院 心臓血管外科
キーワード:
冠循環
,
灌流
,
胸部X線診断
,
術中期
,
僧帽弁閉鎖不全症
,
内臓逆位症
,
経食道心エコー図
,
僧帽弁形成術
Keyword:
Coronary Circulation
,
Intraoperative Period
,
Mitral Valve Insufficiency
,
Perfusion
,
Situs Inversus
,
Radiography, Thoracic
,
Echocardiography, Transesophageal
,
Mitral Valve Annuloplasty
pp.980-983
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016009590
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当院では心筋保護法として逆行性持続的冠灌流法(RC-CBCP)を用いている。僧帽弁形成術(MVP)施行時に逆流の有無を評価する方法としては一般に水負荷テスト(左室内に水を充満させる方法)が用いられているが、新たな方法としてRC-beatingテストの有用性が報告されている。RC-beatingテストの原理は、RC-CBCPでterminal warm bloodの後に血液を流すことにより、左室を収縮させ、収縮期での生理的な僧帽弁の状態を直視下に確認できるというものである。今回著者等は、本テストを用いて、完全内臓逆位の症例にMVPを施行し、僧帽弁の術中イメージがつかみにくい中、本テストは非常に有用であったので報告した。
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