特集 診断と治療に難渋した皮膚潰瘍
異所性石灰化から生じた踵骨骨髄炎を契機に診断されたウェルナー症候群の1例
横山 明子
1
,
清水 寛章
1横浜市立みなと赤十字病院 形成外科
キーワード:
Staphylococcus aureus
,
Werner症候群
,
骨髄炎
,
MRI
,
踵骨
,
鑑別診断
,
石灰沈着症
,
掻爬術
,
X線CT
,
ブドウ球菌感染症
Keyword:
Staphylococcal Infections
,
Staphylococcus aureus
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Werner Syndrome
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Osteomyelitis
,
Diagnosis, Differential
,
Calcaneus
,
Calcinosis
,
Curettage
pp.693-700
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2022224307
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54歳男性。2~3年前より左踵をぶつけて以来、左踵の皮膚潰瘍を繰り返し、6ヵ月前より改善せず瘻孔から排膿を認めたため、当科へ紹介となった。画像所見および膿の細菌培養からMSSAによる踵骨骨髄炎と診断された。初診4ヵ月後に踵骨骨髄炎に対し骨掻爬術を施行後、抗菌薬の投与、局所陰圧療法を行い、術後6週間後に踵骨部に逆行性腓腹皮弁による被覆が行われた。一方、経過中に下肢の皮膚の萎縮・硬化、アキレス腱の石灰化が認められたことから、病歴を再聴取し、遺伝子検査を実施した結果、初診から6ヵ月でウェルナー症候群が確定診断された。術後1年経過現在、左踵の骨髄炎や潰瘍の再発は認められないが、ほかの石灰化部位に疼痛や潰瘍形成を繰り返している。
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