発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010036367
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56歳女。初診時、左足部は後脛骨筋機能不全を呈しており、左足舟状骨部内側は突出していた。同部には発赤を伴う径3cmの膨隆があり、その中央には瘻孔が形成され、膿性の滲出液が漏出していた。単純X線ではVeitch分類2型の外脛骨を認め、一部骨硬化を伴う骨溶解像を呈していた。以上より、左外脛骨の陳旧性化膿性骨髄炎と、これによる瘻孔形成と診断し、レボフロキサシンの内服を開始した。細菌培養ではメチシリン感受性黄色ブドウ球菌を検出した。レボフロキサシンの効果が弱いため、4日後にフロモキセフナトリウムの点滴に変更したところ、瘻孔部には肉芽が形成され、滲出液の流出は消失し、高値であったCRPも正常化した。しかし、その後再び瘻孔周囲に発赤を生じ、CRPも上昇し、セフジニルの内服を開始したが効果ないため、病巣掻爬と外脛骨の摘出術を行った。摘出した外脛骨組織内には慢性炎症性細胞が浸潤しており、骨髄腔の脂肪壊死と線維化を認めた。術翌日から踵歩行を開始し、1週間後には跛行も消失し、術後2年現在、左足部痛や瘻孔の再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009