発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005202428
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36歳女.左大腿腫瘤を主訴とした.6年前に同部に約3cmの腫瘤を触知し,徐々に増大した.単純X線,単純CT,MRI,血管再構築CT,骨TIシンチグラム各検査所見にて,大腿動脈と大腿深動脈の分岐点に腫瘤を認め,腫瘤は大腿静脈へ浸潤していた.大腿軟部発生の腫瘍を疑い生検を行った結果,骨外性間葉性軟骨肉腫stageIIIと診断した.広汎切除術を行い,大腿深動静脈の結紮合併切除,大腿神経の切離,大腿浅動静脈の切離と人工血管による再建を行った.術中はヘパリンを投与し,術後はブドウ糖液+ヘパリン+プロスタグランジン+ウロキナーゼを投与した.術後2日目に下腿の冷感と腫脹,足指先端の紫色の変色を認め,術後8日目に下肢の冷感,大腿部に至る紫色の変色を認めた.疼痛を抑制できず,肝障害,精神障害をきたしたため,術後8日目に股関節離断術を行った.術後2ヵ月現在,疼痛は軽減した.なお,日本における軟部発生の骨外性間葉性軟骨肉腫の報告は,本例を含めて今までに11例である
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