特集 心に残る症例-40周年記念特別号
臨床例
ストーマ周囲に生じた腸上皮化生による大型の難治性潰瘍
赤坂 俊英
1
,
齊藤 恵
,
前田 文彦
1北上済生会病院 皮膚科
キーワード:
鑑別診断
,
腺癌
,
腺腫
,
デブリードマン
,
大腸腫瘍
,
皮膚移植
,
皮膚潰瘍
,
皮膚腫瘍
,
腹部
,
扁平上皮癌
,
外科的ストーマ
,
致死的転帰
,
膿皮症-壊疽性
,
皮膚炎-刺激性
,
腸上皮化生
Keyword:
Abdomen
,
Adenocarcinoma
,
Adenoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Diagnosis, Differential
,
Debridement
,
Skin Neoplasms
,
Skin Ulcer
,
Colorectal Neoplasms
,
Skin Transplantation
,
Fatal Outcome
,
Dermatitis, Irritant
,
Pyoderma Gangrenosum
,
Surgical Stomas
pp.7-10
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2018090708
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<症例のポイント>ストーマ周囲に生じた腸上皮化生による大型の難治性潰瘍を報告した。ストーマ周囲皮膚の衛生管理や保護の不徹底により一次刺激皮膚炎や細菌感染を繰り返し、びらんや潰瘍を形成する。表皮再生とともにストーマの腸上皮も進展・浸潤し腸上皮化生が生じる。腸上皮化生による潰瘍の特徴は、杯細胞による腺管構造を有する紅色びらん性丘疹が集簇するため凹凸不整局面を示す。面上に過角化と表皮肥厚を示す残存表皮および下床の過剰肉芽組織による白色角化性丘疹が点在する。ストーマ周囲の腸上皮化生部分に良性あるいは悪性腫瘍が生じることがある。また既存の潰瘍性大腸炎など腸疾患が生じることもあるので注意を要する。ストーマ周囲皮膚の管理に皮膚科医は積極的に介入し、腸上皮化生などを未然に防ぎ、また治療するべきと考えた。
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