投稿論文 症例
人工肛門に隣接した創に対し有効に局所陰圧閉鎖療法を使用できた1例
森田 勝
1
,
金 大志
1藤枝市立総合病院 形成外科
キーワード:
肛門部
,
洗浄療法
,
デブリードマン
,
皮膚移植
,
皮膚潰瘍
,
腹部
,
陰圧閉鎖療法
Keyword:
Anal Canal
,
Abdomen
,
Skin Ulcer
,
Therapeutic Irrigation
,
Skin Transplantation
,
Debridement
,
Negative-Pressure Wound Therapy
pp.348-353
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021174076
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84歳女性。腹部皮膚潰瘍を主訴とした。直腸癌に対する腹腔鏡下直腸切除術+人工肛門造設術後4日にポート創周囲の感染をきたし、皮膚壊死となった。その後、急速に壊死範囲が拡大し、最終的に人工肛門の周囲1/2に接する創となり、当科紹介受診となった。細菌検査でEnterococcus faecalis等が検出された。デブリードマン後、壊死組織は消失したが、広範な創となり、瘢痕拘縮による人工肛門の変形を考慮し、分層植皮による閉創を行った。創部が人工肛門に接するため、便汚染を考慮した人工肛門パウチや用手形成皮膚保護材を使用しながら、局所陰圧閉鎖療法(NPWT)を用いた植皮片の固定を行った。NPWT開始後6日に右大腿部からの分層メッシュ植皮を行い、その固定にNPWTを使用した。植皮後5日に植皮が全生着し、植皮後14日にメッシュ間も上皮化した。術後1年の現在、人工肛門の機能的な問題を認めていない。
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