投稿論文 症例
5カ所のヘルニア門を有する白線ヘルニアの1例
小島 康孝
1
,
外薗 寿典
,
上塘 彩子
,
高木 信介
1今給黎総合病院 形成外科
キーワード:
開腹術
,
腹壁ヘルニア
,
ヘルニア縫合術
,
腹部CT
Keyword:
Laparotomy
,
Hernia, Ventral
,
Herniorrhaphy
pp.718-722
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021256357
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症例は50歳男性で、約3年前に上腹部に隆起を自覚し、以後疼痛や圧痛なく経過していた。明らかな増大を認めなかったが、消退しないため治療を希望して当科を受診した。腹部単純CT検査で上腹部正中に16×9mmのヘルニア門とヘルニア門から連続性のある境界不明瞭の約20mmの腫瘤を認め、白線ヘルニアと診断し手術を施行した。最大15mmのヘルニア門を術前にCT検査で描出された位置に確認でき、ほかに1cm大のヘルニア門を2ヶ所、1cm以下のヘルニア門を2ヶ所、計5ヶ所のヘルニア門を確認した。すべてのヘルニア門間を連続するように白線を縦切開し、ヘルニア脱出物を還納し白線同士を単純縫合し閉鎖した。経過良好にて第11病日に抜糸し同日に退院した。現在、術後1年が経過したが再発なく経過している。
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