投稿論文 症例
示指と小指との合指症の1例
范 綾
1
,
緑川 麻里
,
王丸 陽光
,
清川 兼輔
,
高木 岳彦
,
関 敦仁
1久留米大学 形成外科・顎顔面外科学講座
キーワード:
X線診断
,
合指症
,
再手術
,
手指
,
人工皮膚
,
皮膚移植
Keyword:
Fingers
,
Reoperation
,
Syndactyly
,
Skin, Artificial
,
Skin Transplantation
,
Radiography
pp.723-729
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021256358
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症例は1ヵ月男児で、出生時に右示指と小指との合指症が確認された。合指症に対する治療目的で生後1ヵ月時に当科を紹介され受診した。生後2ヵ月で第1回目の手術として、全身麻酔下に癒合部の切り離し術を行い、生後3ヵ月で第2回目の手術として、示指と小指の間の手背側MP関節レベルにあった線状拘縮に対し、5flapを三つ組み合わせた術式を用いて指間を広げる手術を行った。さらに、生後10ヵ月で第3回目の手術として、示指と中指および小指と環指の間の指間背側をさらに広げるため、示指中指の指間に対しては減張切開と全層植皮術、小指と環指の指間に対してはpantaloon flapと全層植皮術による指間形成術を行った。3歳7ヵ月時、第2回目手術で行った線状拘縮よりも手背側(MP関節直上付近)部分の線状拘縮が顕著となってきたため、第4回目の手術を行った。現在、最終手術より6ヵ月が経過しているが指間は十分に広がっている。
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