特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[3]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(2)口唇以外-
鼻翼欠損を伴うイヌ咬創に対して鼻唇溝皮弁による再建を行った1例
上原 理恵
1
,
根本 充
,
瀬崎 晃一郎
,
馬場 香子
,
城下 晃
,
武田 啓
1長野県厚生農業協同組合連合会佐久総合病院佐久医療センター 形成外科
キーワード:
イヌ
,
顔面外傷
,
外科的皮膚弁
,
咬傷と刺傷
,
鼻
,
鼻形成術
,
鼻唇溝
Keyword:
Bites and Stings
,
Facial Injuries
,
Surgical Flaps
,
Nose
,
Rhinoplasty
,
Dogs
,
Nasolabial Fold
pp.403-408
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021212507
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47歳男性。イヌに咬まれた右鼻翼の欠損を主訴とした。2日前に飼い犬に鼻を咬まれ受傷した。右鼻翼は15×15mmの全層欠損状態で、受傷後8日に再建術を施行した。手術はデブリードマンを行い、右鼻翼欠損に対し鼻唇溝皮弁を皮下脂肪層レベルで挙上した。鼻唇溝皮弁は遠位の脂肪組織を減量し、折り返す様にして鼻腔内へ縫合し、右鼻翼を再建した。初回手術後5週に2回目手術を施行し、鼻唇溝皮弁基部の皮膚を脂肪組織と共に減量した。2回目手術後8ヵ月に鼻孔縁の修正を目的に3回目手術を施行した。手術は鼻孔縁から皮弁内の脂肪組織を減量して鼻翼の厚みを修正すると共に、鼻孔縁の段差をW形成術で修正した。3回目手術後6ヵ月の現在、鼻翼は左右対称で良好な形態を保っている。
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