特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[3]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(2)口唇以外-
眉毛全欠損を伴うイヌ咬創に対し植毛術を用いて再建を行った1例
林 大海
1
,
井上 牧子
,
鈴木 真澄
1武蔵野赤十字病院 形成外科
キーワード:
自家移植
,
イヌ
,
顔面外傷
,
咬傷と刺傷
,
皮膚移植
,
眉
,
美容法
,
植毛
Keyword:
Bites and Stings
,
Eyebrows
,
Facial Injuries
,
Skin Transplantation
,
Transplantation, Autologous
,
Dogs
,
Cosmetic Techniques
pp.371-374
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021212501
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66歳女性。イヌ咬創を主訴とした。飼い犬に咬まれ、その日に当科を受診した。右眉毛に3×5cmの皮膚欠損を認め、眉毛が全欠損していた。受傷後2日にデブリードマンと全層植皮術を施行した。手術は創部を新鮮化し、右鎖骨部より採取した皮膚を全層で移植し、タイオーバー固定した。皮膚の採取部は縫縮した。移植した皮膚の生着は良好で、術後8.5ヵ月に植毛術による眉毛再建術を施行した。手術は右耳後の頭髪生え際の皮膚を全層で採取した後、株分けし、follicular unit transplantationに準じて植皮片内の眉毛予定位置に移植した。続いて、ハイドロサイトを貼付し、テープ固定した。術後経過は良好で、術後8日にハイドロサイト固定を除去した。その後、洗顔を許可し、術後1ヵ月までは保護を継続した。移植毛の生着は良好で、脱落を認めなかった。植毛術後1年3ヵ月の現在、自然な眉毛が形成され、患者は満足している。
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