特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[3]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(2)口唇以外-
頬部に陥凹変形を生じたイヌ咬創の1例
清水 史明
1
,
上原 幸
,
呉 偉民
,
森松 康行
,
前岡 尚憲
,
野中 侑紀
,
平石 瞳美
1大分大学医学部附属病院 形成外科
キーワード:
イヌ
,
顔面外傷
,
咬傷と刺傷
,
瘢痕
,
頬
,
歯牙顔面変形
,
瘢痕拘縮形成手術
Keyword:
Bites and Stings
,
Facial Injuries
,
Dogs
,
Cicatrix
,
Cheek
,
Dentofacial Deformities
pp.421-424
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021212510
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7歳女児。頬の変形を主訴とした。飼い犬に頬部を咬まれ、前医で創の洗浄、デブリードマン、縫合数を最小限にした縫合処置および抗生剤投与が行われた。その後、同部に瘢痕と陥凹変形が残存し、当科紹介受診となった。左頬に幅広い瘢痕と陥凹変形を認め、受傷後3週に瘢痕修復術を施行した。瘢痕部分を切除し、再縫合術を行った。その際、陥凹変形を修正することを目的に脂肪弁を陥凹部に充填させて創部を閉鎖した。術後、表面の瘢痕は目立たなくなったが、陥凹変形が残存した。術後1年10ヵ月に2回目の瘢痕修復術を施行した。瘢痕部から陥凹変形部に皮下ポケットを作成し、鼠径部から採取した真皮脂肪弁を挿入して陥凹変形を修復した。続いて、瘢痕部にW形成を行った。2回目の瘢痕修復術から5年以上経過した現在、陥凹変形が改善し、頬部の輪郭は良好に維持されている。また、表情の引きつれ等も生じていない。
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